株式会社シンクロン鶴岡工場訪問(H25年11月15日実施)の様子を掲載します。
株式会社シンクロン鶴岡工場は、JR鶴岡駅から直近の鶴岡中央工業団地内に位置しています。本社は神奈川県横浜市。
同社は1951年(昭和26年)設立。国内トップクラスのシェアを誇る真空薄膜形成装置メーカーとして、光学薄膜、真空蒸着、スパッタリング技術など真空薄膜分野の研究開発から販売、アフターサービスまでを一貫して手掛ける装置総合サービス企業です。
今回訪問した鶴岡工場は、同社の「SHINCRON」ブランドを生み出す国内唯一の生産拠点です。海外には上海に工場があります。
社名であるシンクロンの由来は、「真空」と「エレクトロン」をもじったもので、辞書には存在しない「造語」だそうです。
全従業員数は324名(2013年4月期)。海外にも展開し、現在は上海、深圳、台湾、マレーシア、タイに拠点を持っています。
初めに、常務取締役である小池祥工場長よりお話をいただきました。
鶴岡工場は1989(平成元年)開設。特急が止まるという利便性から同地に進出し、現在に至っています。
同社の薄膜形成装置による製品は多岐に渡りますが、例えば、デジタルカメラのレンズに入る光を多くするための反射防止膜や、スマートフォン、iPod等タッチパネルの耐擦傷性と汚れ防止向上のレンズコーティングなど、私達の生活に非常に身近な物へ広く使われています。
最近は膜に色を付ける技術により、タッチパネルのレンズコーティングに汚れが目立ちにくい色を入れることで、より防汚効果が高い膜を作っているとのことです。
また鶴岡高専卒はここ10年程毎年採用いただいており、好印象であるとのありがたいお言葉をいただきました。
次に組立工場内を見学させていただきました。
組立工場は東、西、北の3エリアに分かれ、成膜のための大型装置が多数設置されています。
その他、12機の大小クレーン、クリーンルームや洗浄室なども備わっていました。
クリーンルームは製品の品質を顧客に示すための部屋で、同ルーム内に備わっているフィルターは0.3マイクロの塵も通さないとの事。
また工場内は適度な室温で、快適な環境でした。製品の品質を保つため、そして工場内で働く技術者のため、空調、特に湿度管理を充実させているとの事です。
その後工場長及び同社に在籍する6名の鶴岡高専先輩方と懇談をする機会をいただきました。
他社に負けないことは?という学生からの質問に、小池工場長は「技術である。この業界ではトップの技術。その技術があるので他社とは違ったことができる。」と力強くお答えいただきました。
企業から求められているものは?という質問には「当社の製品は、わずかな塵やゴミもあってはならない。それを証明するためにクリーンルームを設置した」との事。
採用する際に重視することは?との質問には「学生時代にクラブ活動でもボランティアでもいい。一生懸命何かに没頭してきたことがあるかについてを聞く。」との事でした。物事に一生懸命に取り組むことが働く上でも大切な資質であることが伺えました。
その他の質問にも先輩方はご自分の体験も踏まえつつ丁寧に答えていただきました。