松岡株式会社訪問(H25年9月30日実施)の様子を掲載します

2013/10/30

同社は1887年、松岡製糸所として創業。現在まで126年続く製造業企業です。
生糸製造から始まり、婦人服・ユニフォームの縫製、その後異業種である電子部品製造、機械設計・加工、2007年からは航空機内装品の製造と、多岐にわたる製造に取り組んでいます。
同社は旧松山町(現酒田市)に所在。そのほか、鶴岡市に鶴岡工場、村山市に村山工場があります。

松岡(株)外観

外観は、長い歴史を感じさせる重厚な造りです。

初めに、同社取締役本社工場長である後藤嗣郎工場長よりご挨拶をいただきました。
後藤工場長は鶴岡高専第11期生。学生時代はバレーボール部に所属し、全国高専大会に出場の経験もあるそうです!
製糸所として創業した同社が航空機内設備を携わるに至ったのは、同社の精密な製造・加工技術に関心を抱いた航空機用内装品メーカーで、米国・ボーイング社と取引のある(株)ジャムコ(東京都立川市)が出席した山形県広域商談会がきっかけとの事でした。
現在松岡(株)では、ボーイング社製の中型ジェット旅客機として注目を集めている『787型機』のギャレー(旅客機内の厨房施設)やラバトリー(化粧室)ユニットの機械加工部品を多数手掛けています。
現在は、単品の部品やUNITを構成するパネルを製造し(株)ジャムコの100%子会社である㈱新潟ジャムコ(新潟県村上市)に出荷していますが、来年度以降はそのパネルを組み立て、ユニットを組む工程まで取り扱っていく予定との事です。
後藤工場長は長年、「航空関連の仕事がしたい」という夢を抱いていたとの事。「夢は強く想って努力し続けることが大事。夢は叶う」と力強く語ってくれました。

後藤工場長

後藤工場長「夢は強く想って努力し続けることが大事」

航空部品を扱うに際し苦労した点として、品質保証・品質管理をあげられました。
航空部品製造では、誰が、いつ、どこで、どんな状態で製造したのかという記録を30年間にもわたり保管する義務があるとの事です。
新たに高精度の管理システムを構築し、対応しているとのお話でした。

次に、工場内を見学させていただきました。

松岡(株)工場見学

絹製品、金型製品、紙の成形製品、航空部品など、多品種を取り扱っています。

同社は、航空部品のほか創業当時から造り続けている生糸、大手メーカーの金型、紙の成形など多品種少量生産です。
そのため工場内には非常に多くの工作機械があり、その一方で、精密部品に対応するため目視での確認作業や手作業を行っている部署もあります。
また全ての工程に女性技術者の方が多く見られました。

最後に、後藤工場長と懇談を行いました。

松岡(株)懇談会

後藤工場長「人として当然のことを、自然に、普通にできるようになるべき」

学生から、製造部門にも多数の女性の方が働いていたがその理由は?との質問があり、「現在約45%が女性である。育児休暇などの法制度を整備しているからではないか」とのお話でした。
この比率には大変驚いたのですが、女性にとっても働きやすい環境であることが伺えます。
今やっておくべきことは?との質問には、「勉強をする。知識の基礎をきちんと身につけること」、そして「人として当然のことを、自然に、普通にできるようになること」をあげられました。
同社では「挨拶をする」「履物を揃える」「掃除をする」の3つを大切にしているとの事で、我々が見学させていただいている時も、従業員の皆さんが必ず挨拶をして下さったのが非常に印象的でした。